型番ではなく、スマホの中を見る
最速の確認は設定メニューだ。iPhone なら「設定」→「一般」→「情報」と開き、下へスクロールする。EID という項目があれば、ハードウェアは搭載されている。Android ではメーカーによって道筋が違うが、使われる言葉は似ている。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」または「モバイルネットワーク」と進み、「eSIM を追加」「eSIM を設定」「携帯通信プランを追加」、あるいは Android 独自の言い回しである「代わりに SIM をダウンロードしますか?」を探す。項目が見つからなければ、すべてのサブメニューをスクロールするより、設定アプリ内で「eSIM」を検索したほうがいい。 項目が見つかれば、ほぼ証明に近い。そのメニューは、プロファイルを保持できるハードウェアが生成しているからだ。見つからない場合は、証拠としては弱い。SIM トレイが空になるか、ネットワークを検出するまで項目を隠すメーカーもあり、ビルドによって名称が違うこともあり、通信事業者向けサービスメニューの下に置かれていることもある。項目がない場合は、「引き続き確認する」と捉え、明確な「非対応」と受け取らない。 設定画面から分からないことが1つある。特定のプランが有効化できるかどうかだ。eSIM の対応には2つの側面がある。端末がハードウェアを備えていること、そして通信事業者がその端末の型番に対してプロファイルを発行できること。設定の確認を通過したスマホでも、事業者側で失敗することがある。通常は、買おうとしている種類のプランにその事業者が eSIM を提供していないためだ。
EID がハードウェアの証明
EID(embedded identity document)は、内蔵チップ自身のシリアル番号で、SIM にとっての IMEI に相当する。32桁の長い番号で、端末ごとに固有だ。スマホがこれを表示するなら、そのスマホには eSIM のハードウェアがある。チップのない機器で EID を表示させるソフトウェアの裏技は存在しない。 iPhone での場所は「設定」→「一般」→「情報」で、EID というラベルの項目だ。IMEI が2つ並んで表示されることもある。Android では通常「設定」→「デバイス情報」の下、たいてい「SIM のステータス」「デバイス識別子」「eSIM」といった名前のセクションにある。1つだと思っていたところに IMEI が2つ並んでいれば、取り外しできない2本目の回線が存在する手がかりだ。 電話アプリから EID を表示できる端末もある。電話アプリを開き、*#06# と入力して、IMEI の下に EID の行があるかを見る。これへの対応はメーカーとシステムのバージョンによって異なるので、IMEI しか表示されない画面はどちらの証拠にもならない——設定メニューに戻って確認する。第三の情報源は小売のパッケージだ。eSIM 対応モデルのラベルには IMEI の隣に EID が印字されていることが多く、店で未開封の箱を確認するときに役立つ。番号は控えておく。後でその回線について事業者と話す必要が出たとき、求められる識別子はこれだ。
同じ型番の名前が、いつも同じスマホとは限らない
ここで多くの人が引っかかる。型番の名前は仕様ではない。同じスマホでも市場が違えば作りが違い、eSIM はその変わる部分の1つだ。最も分かりやすい例は中国本土で、歴史的に端末は物理 SIM スロットを2つ備え、eSIM のハードウェアをまったく積まずに出荷されてきた。だから手元のスマホが、その名前のレビューがどれも挙げている機能を欠いていることがありうる。 自分の端末がどの派生版かを確かめるには、販売名ではなく型番を探す。iPhone なら「設定」→「一般」→「情報」の「型番」にあり、英字と数字で始まる短いコードの形をしている。箱や SIM トレイにも記載されていることが多い。そのコードを、自分の地域向けのメーカー公式の仕様ページで検索し、SIM 対応についての行を読む。地域別の仕様ページだけが正しいまま保たれる情報源だ。メーカーが最新の状態に保っているのはそれだからである。 対応モデルの一覧に頼ってはいけない。ブログ記事のものでも、掲示板のスレッドのものでも、このガイドのような記事の例でもだ。そうした一覧は、ある市場のある時点のために書かれ、新製品が出るたびに静かに古くなる。フリマやマーケットプレイスの出品から買うなら、支払う前に出品者に型番を尋ね、自分で確認する。
中古のスマホと回線ロック
中古の端末には、設定の確認だけでは見えない2つのリスクが加わる。 第一は回線ロックだ。ある回線にロックされて売られたスマホは、通常、別の回線に属するプロファイルを拒否する。だから競合事業者で動く旅行用プランはインストールできない。グレーゾーンもある。旅行用プランによっては自宅の回線のローミング提携先を通じて接続し、それがロックされた端末でも動くことがある。これは技術的な例外であって保証ではなく、予告なく変わりうる。端末がロックされていないかを出品者に尋ね、疑問が残るなら自宅の通信事業者に確認を求める。 第二は端末の履歴だ。紛失や盗難として届け出られた端末はネットワークへの登録をブロックされることがあり、これはどれだけプロファイルをインストールしても直らない。海外で買ったスマホは、自分の住む地域に拠点のない事業者にロックされていることもある。出品者の説明を書面で確認し、端末が工場出荷状態に初期化されていること——前の持ち主のプロファイルが、切られているだけでなく消えていること——を確かめる。そして構造上の制約を忘れないこと。プロファイルはインストールしたスマホに紐づく。前の持ち主が eSIM の回線を残した中古スマホは、カードを移すようには自分のアカウントに移せない。カードが存在しないからだ。
正直な答えが物理 SIM になる場合
eSIM は便利だが、すべての旅行者に適しているわけではない。上の確認が、回避できない「非対応」を出すこともある。 スマホに eSIM のハードウェアがなければ、選ぶ余地はない。渡航先で物理 SIM を買うか、自宅の通信事業者のローミングオプションを追加する。配達、ホテル、レンタカーのカウンター、仕事の電話のために、人に教える現地の番号が必要なら、購入前にそれが含まれるかを確認する。旅行用プランの多くはデータ専用だからだ。回線を機器間で移したい、タブレットに入れたい、タブレットやモバイルルーターで使いたいなら、カードは移せてプロファイルは移せない。カウンターで人から買いたいというのも、妥当な好みだ。 タイミングの罠もある。eSIM のインストールには使えるインターネット接続が必要だ。プロファイルをダウンロードするからである。データも使える Wi-Fi もない場所に着陸すると、その場ではインストールできない。到着をカバーするはずだったプランこそが、設定できない唯一のものになる。飛行機の中や空港で差し込める物理カードには、そんな依存はない。 どちらの道を選んでも、自分の端末の正確な派生版についてメーカー公式の仕様ページで詳細を確認し、支払う前に自宅の通信事業者や eSIM 提供元が公開している互換性チェッカーを使う。ハードウェアの構成も事業者の方針も旅のあいだに変わるので、インストールする当日にもう一度確認する。
よくある質問